ワット
おはようございます、柳村です。
前回の投稿でライトの明るさを、蛍光灯が32W x 2本で64Wとしてはいけませんと言いました。
この事を解説するために、modoの光の単位について、何回かに分けてお話します。
CGとういうより物理のお話になってしまいます(笑)
modoのデフォルトの光の単位がW/srm2になっているので、ここに罠があります。
W/srm2=ワット毎平方メートル毎ステラジアンと読みます。
もう一つの単位としてcd/m2 がありますが、これはカンデラ毎平方メートルと読みます。
今回は、W/srm2をベースにお話を進めていきます。
日常生活の中では、電球の明るさを示すめやすとして、ワット(W)が用いられています。
しかし、このワットというのは明るさではなく、実は消費電力の事をさしています。
当然、ワット数が大きいと言うことは消費電力が大きい=明るいとなるのですが・・・
では、LED電球はどうでしょうか?
わずか6.9Wの消費電力で40Wの白熱電球相当の明るさがあります。
このように、一概に消費電力=明るさとはならないのです。
そこでまずは、ワット(W)という単位から説明します。
電力の単位のワット(W)はアンペア(電流)(A)xボルト(電圧)(V)と言うことはご存知だと思います。
消費電力40Wの白熱電球を思い浮かべてください。
100Vの電圧で0.4Aの電流を流せば、消費電力は40Wというわけです。
40Wの電力を消費して、40W分の明かりを放っていると言い換えることもできます。
(実際にはロスがあるので40Wまるまるの電力を光には変えられません。)
しかし、先ほども言いましたが40Wだからと言って、この明るさだ!とは決め付けられません。
そもそも、明るさというのは人間の感覚による、案外あいまいなものなのかもしれませんし、
消費電力ではなく、光束で評価されるからです。(光束については、次回でお話します。)
そして、この電力を消費して電気エネルギーを光エネルギーへ変換した。という事象を
物理学的に言いますと、”仕事”をしたという事になります。
仕事というのは、力学的には物体をAからBへ力を加えて移動させた。
もう少し広い言い方をすると、エネルギーを加えて変化を起こす事とも言えます。
そして、そのときに使用したエネルギーの量を仕事量と言います。
仕事量=加えた力 x 移動距離(m)
たとえば、1N(ニュートン)の力で物体を5m移動させた場合の仕事量は5J(ジュール)です。
(1N=およそ102gのおもりを、手のひらに乗せたときに受け支える力。)
(J=仕事量の単位)
ここで1つ疑問が浮かびます。
1Nの力で5m移動させるのに、どのくらい時間がかかったのか?ということです。
1秒でササッと移動させた場合と、ちんたら10秒かかった場合では、
同じ5Jの仕事量でも、能率がまったく違います。
この仕事の能率のことを、仕事率と言います。
仕事率は、単位時間(1秒)当たりの仕事量。となっています。
つまり、仕事率=仕事量÷時間(J/s)となります。
そして、なんとこの仕事率の単位こそ、W(ワット)なのです!
さっきの例では、
5Jの仕事を1秒でこなした場合の仕事率は5J/1s=5W
5Jの仕事を10秒でこなした場合の仕事率は5J/10s=0.5W
となります。
ワットと言うのは、仕事率の単位なので、特別に電気の単位というわけではありません。
電球をはじめ、家電製品の性能を示すめやすとしてワットが多く使われているのは、
電気に仕事をさせた場合、1秒当たりどの程度仕事をこなせるかをワットであらわしています。
上の例では、5Jの仕事を電気にさせた場合、ワット数(仕事率)が高いほうが、
早く仕事を終えることがおわかりになると思います。
つまり、5Jの仕事をこなすのに必要なエネルギーは同じですが、
1秒間に多くのエネルギーを消費する5Wの方が、早く仕事をこなせるのです。
W=仕事率(1秒間あたりのエネルギー量)
ちなみに、1J=1ワットの仕事率で1秒間の仕事量。とも言えます。
毎月、電気代の請求が来ると思いますが・・・
使用量の単位にはKWhという単位で使用量が明記されていると思います。
KWhはキロワット・アワー(キロワット時)と読みます。
1KWhは1000Wの電力を1時間(3600秒)消費した場合の電力量です。
ですから、1KWh=1000Wx3600秒=360万W秒=360万Jとなります。
真夏の電力使用量が500KWhくらいと考えると・・・
1KWh=360万W秒なので、
500 x 360万W秒=18億W秒 = 18億J
1J=1N(約102g) x 1m となりますので
18億J=18億N x 1m ≒ 18t x 1m
18tの鉄のかたまりを1m移動させるエネルギーを消費していることになりますね。
いかがでしょうか?
ワットは明るさではなく、エネルギーの量の単位だという事をご理解いただけたでしょうか?
前回の投稿でライトの明るさを、蛍光灯が32W x 2本で64Wとしてはいけませんと言いました。
この事を解説するために、modoの光の単位について、何回かに分けてお話します。
CGとういうより物理のお話になってしまいます(笑)
modoのデフォルトの光の単位がW/srm2になっているので、ここに罠があります。
W/srm2=ワット毎平方メートル毎ステラジアンと読みます。
もう一つの単位としてcd/m2 がありますが、これはカンデラ毎平方メートルと読みます。
今回は、W/srm2をベースにお話を進めていきます。
日常生活の中では、電球の明るさを示すめやすとして、ワット(W)が用いられています。
しかし、このワットというのは明るさではなく、実は消費電力の事をさしています。
当然、ワット数が大きいと言うことは消費電力が大きい=明るいとなるのですが・・・
では、LED電球はどうでしょうか?
わずか6.9Wの消費電力で40Wの白熱電球相当の明るさがあります。
このように、一概に消費電力=明るさとはならないのです。
そこでまずは、ワット(W)という単位から説明します。
電力の単位のワット(W)はアンペア(電流)(A)xボルト(電圧)(V)と言うことはご存知だと思います。
消費電力40Wの白熱電球を思い浮かべてください。
100Vの電圧で0.4Aの電流を流せば、消費電力は40Wというわけです。
40Wの電力を消費して、40W分の明かりを放っていると言い換えることもできます。
(実際にはロスがあるので40Wまるまるの電力を光には変えられません。)
しかし、先ほども言いましたが40Wだからと言って、この明るさだ!とは決め付けられません。
そもそも、明るさというのは人間の感覚による、案外あいまいなものなのかもしれませんし、
消費電力ではなく、光束で評価されるからです。(光束については、次回でお話します。)
そして、この電力を消費して電気エネルギーを光エネルギーへ変換した。という事象を
物理学的に言いますと、”仕事”をしたという事になります。
仕事というのは、力学的には物体をAからBへ力を加えて移動させた。
もう少し広い言い方をすると、エネルギーを加えて変化を起こす事とも言えます。
そして、そのときに使用したエネルギーの量を仕事量と言います。
仕事量=加えた力 x 移動距離(m)
たとえば、1N(ニュートン)の力で物体を5m移動させた場合の仕事量は5J(ジュール)です。
(1N=およそ102gのおもりを、手のひらに乗せたときに受け支える力。)
(J=仕事量の単位)
ここで1つ疑問が浮かびます。
1Nの力で5m移動させるのに、どのくらい時間がかかったのか?ということです。
1秒でササッと移動させた場合と、ちんたら10秒かかった場合では、
同じ5Jの仕事量でも、能率がまったく違います。
この仕事の能率のことを、仕事率と言います。
仕事率は、単位時間(1秒)当たりの仕事量。となっています。
つまり、仕事率=仕事量÷時間(J/s)となります。
そして、なんとこの仕事率の単位こそ、W(ワット)なのです!
さっきの例では、
5Jの仕事を1秒でこなした場合の仕事率は5J/1s=5W
5Jの仕事を10秒でこなした場合の仕事率は5J/10s=0.5W
となります。
ワットと言うのは、仕事率の単位なので、特別に電気の単位というわけではありません。
電球をはじめ、家電製品の性能を示すめやすとしてワットが多く使われているのは、
電気に仕事をさせた場合、1秒当たりどの程度仕事をこなせるかをワットであらわしています。
上の例では、5Jの仕事を電気にさせた場合、ワット数(仕事率)が高いほうが、
早く仕事を終えることがおわかりになると思います。
つまり、5Jの仕事をこなすのに必要なエネルギーは同じですが、
1秒間に多くのエネルギーを消費する5Wの方が、早く仕事をこなせるのです。
W=仕事率(1秒間あたりのエネルギー量)
ちなみに、1J=1ワットの仕事率で1秒間の仕事量。とも言えます。
毎月、電気代の請求が来ると思いますが・・・
使用量の単位にはKWhという単位で使用量が明記されていると思います。
KWhはキロワット・アワー(キロワット時)と読みます。
1KWhは1000Wの電力を1時間(3600秒)消費した場合の電力量です。
ですから、1KWh=1000Wx3600秒=360万W秒=360万Jとなります。
真夏の電力使用量が500KWhくらいと考えると・・・
1KWh=360万W秒なので、
500 x 360万W秒=18億W秒 = 18億J
1J=1N(約102g) x 1m となりますので
18億J=18億N x 1m ≒ 18t x 1m
18tの鉄のかたまりを1m移動させるエネルギーを消費していることになりますね。
いかがでしょうか?
ワットは明るさではなく、エネルギーの量の単位だという事をご理解いただけたでしょうか?
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