フォトリアル思考なマテリアルの考察
暑すぎる日が続きます。 柳村です。 表題のとおり、私的な考察を今日は書きたいと思います。 CGは自由度が高く、どんな表現も可能にしてくれます。 でも言い換えれば、非現実的な表現をしてしまう事も可能ということです。 ですので、正しい知識が必要ではないでしょうか。 そこでBRDFの設定についてお話したいと思います。 BRDFにはディフューズ・スペキュラー・リクレクションの3項目がありますが、 modoのデフォルト値では、ディフューズが80%、スペキュラーが20%、リフレクションは0% という設定になっています。 しかし、実はスペキュラーが0%でリフレクションが20%とあるべきだと私は考えます。 そもそも、スペキュラーというのは現実世界には存在していません。 これは、CGの光源というのは実体がないために、マテリアルを照らすことはできますが 光源をリフレクションによって映りこませて艶を出すことが出来ないので、擬似的に艶を表現するためのCG独自の手法です。 現実世界には光源に実態があるので、リフレクションによって光源が映りこみ、艶となるわけです。 一見リフレクションと言えば、鏡の様な反射を思い浮かべられるかもしれませんが、 鏡の反射は、反射量が95%程度でブラーリフレクションをONにした状態で、ラフネスが0%の場合です。 逆に、艶消しの様な鈍い反射の場合はラフネスが60%など、高値になっていきます。 ですので、CGでは光源の実態としてイルミゴンなどと呼ばれる自己発光しているポリゴンを作成し、 光源の位置に配置してマテリアルに映りこませることによって、自然で正しい艶を表現できるようになります。 とは言っても、スペキュラーを0%にして使うことが間違っているということでもありません。 イルミゴンを配置して光源を実態として表現する場合は間違ったことになりますが イルミゴンを配置しない場合は、スペキュラーに値を設定しないと、艶を表現できません。 そして大事な事は、スペキュラーを20%に設定したならば、リフレクションも20%で同値に設定するという事です。 なぜならば、先ほど述べたように本来はリフレクションのみによって艶を表現するのが現実世界としては正しいからです。 ですから、20%のスペキュラーによる艶があるならば、周りの環境も20%映り込んでいないとつじつまが合いません。 そして、艶の...